読書メモ『コトラーの戦略的マーケティング』 フィリップ・コトラー

夏休みに読んだ本。
フィリップ・コトラーということで、心構えをしてから読み始めたのですが、そんな必要はありませんでした。世界の名だたる企業のコンサルティングをしているだけあって、実例が豊富で非常に分かりやすかったです。中でも印象に残ったのは、

顧客を維持し、育成することが一番肝心である。企業は、現在の顧客ひとりひとりを獲得するのに多額の費用を費やしており、競合企業は常にその顧客を奪おうとしている。既存顧客をひとり失うことは、新規の顧客をひとり獲得し損なうこと以上に損失が大きい。

たしかに、新たに女性を口説いて彼女という関係になるまでには、多大な努力が必要です。こまめに連絡取ったり、いきなり二人で遊びに行ったりはできないので仲間数人で楽しめるイベントを企画しなければならないし、いろいろとお金もかかります。また、初対面の女性は、褒めて持ち上げることが原則です。これに対して、一度彼女という関係になってしまえば、少しくらいの失言や手抜きデートも大目にみてくれます。

今日、「顧客第一」の考えが猛烈な勢いで広まっている。世界で最も利益率の高いスーパーマーケットの一つを経営しているスチュー・レオナルドは、従業員に二つのルールを示している。

規則1:顧客はいつも正しい。
規則2:もし顧客が間違っているならば、規則1に戻ること

これもその通り。女性はいつも正しいです。彼女と喧嘩をして、もしこちらが正しかったとしても、“規則1”に戻って男のほうが謝らなければなりません。これが高い利益率をあげる秘訣なのでしょう。

まだあります。
売上げがいちばん大きな顧客がいちばん利益率が高く、売上げがいちばん小さなところがいちばん利益率が低いと見られがちだが、最大の顧客は、大幅な値引きと多くのサービスを要求することがあることを考えてみて欲しい。投資利益率で見れば、最大規模の顧客よりも、中くらいの規模の顧客からの方が、より大きな成果が上がっていることが、いくつものケースから実証されている。

たしかに最大の顧客は、「○○買って!」とか「○○に連れて行って!」とか多くのサービスを要求してきます。投資利益率という観点で見ると、かなり低いかもしれません。これは、私の周りでも、いくつものケースが実証されています。


結局、マーケティングってわがままな女性(じゃない人もいます)の心をどうやって掴むかということとイコールな気がします。購買意欲や企業に対するイメージっていうのは、人間の心理による所が大きいですから。きっとビジネスの感覚に長けている人は、女性にもモテるという人が多いのではないかと思います。
最近読んだ本の中でもインパクトが大きく、大変学ぶことが多い良書でした。この本は、マーケティングの教科書として手元に置いておいて、たまに読み返してみようと思います。

読書メモ『その日のまえに』 重松清

その日のまえに (文春文庫)
重松 清
文藝春秋
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泣きました。
人間の死をテーマにした短編集です。中でも「その日」は特に感動の一編でした。帰りの電車で読みましたが、親子のやり取りに涙してしまいました。隣のお姉ちゃんがなんかこっち見てたけど、全然気にしません。だって、泣けるんだもの、仕方がないです。
また、「潮騒」は末期ガンを宣告された男の視点、「ヒア・カムズ・ザ・サン」は家族の視点と、それぞれ違った目線で描かれているのが、感動をまた複雑で心地よいものにしてくれているのかもしれません。
とにかく、この本には、親子,夫婦,友人など愛がいっぱい詰まっています。私が涙もろいことを差し引いてもお勧めの一冊です。